超音波ドプラ心拍数胎動計による胎児の機能的発育と異常経過に関する研究
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概要
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概要 一つの心拍検出用超音波探触子て、胎児心拍動により発生する超音波通炯信号と胎動によるさらに低周波数の超音波通炯信号を検出、分離することにより、胎児心拍数と胎動の同時連続記録を可能にした超音波通炯胎動計を用いて、胎動及び胎動と胎児心拍数一過性増加の関連から、胎児の機能的発育並びに妊娠期間に応じた胎児の健常状態の評価について検討した。対象は正常妊婦158例、延べ192例、焚惱D婦43例、延べ53例であつた。 1)胎児の下肢の運動は、体幹の胎動と同時的に起こることが多く(91%)、この場合は、15 bpm 以上の一過性頻脈を生じることが多かつたが、下肢単独の胎動には、15 bpm 以上の一過性頻脈の同時発生は認められなかつた。これより、胎動と一過性心拍数増加の関連をみる場合は体幹の胎動が重要と考えられた。 2)胎児体幹の回転様運動を主体とした粗大な胎動を表わす胎動舗綾A妊娠18週から漸増し、妊娠30〜31週で10分間に約8群の盆宛を形成し、以後妊娠末期に向い漸減した。 3)胎動舗綾皷S拍数増加(6bpm以上)の出現率は妊娠24週から漸増し、妊娠30〜31週で、平均値-SD値が64%、36〜37週で79%となつた。また、胎動舗綾皷S拍数増加の振幅は妊娠24過から漸増し、34週で平均値-SD値が15 bpm を超え、以後、妊娠38週まで漸増した。一過性心拍数増加の上昇部の傾斜も同様の傾向を示した。 4)ハイリスク妊娠では、胎動舗綾煤A胎動舗綾皷S拍数増加の出現率、増加振幅、上昇部の傾斜の低値傾向が認められた。特に、妊娠中毒症、IUGR症例で、これらの低値傾向は著明であつた。
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1986-09-01
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