電子走査超音波断層法,Mモード法による胎児心臓動態の解析

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胎児の循環動態を明らかにし,先天性心疾患の出生前診断を行なうには,生理的な状態における胎児心臓,血管系の発育を知ることが重要であり,胎児心臓構造の同定および定量化が必要となる.本論文では,妊娠16週より42週までの正常妊婦203例を対象とし,胎児の心臓,大動脈を電子走査超音波断層法により観察し,断層面およびビームの入射方向の標準化を行ない,同時にMモードおよびMモードスキャンにより,胎児心臓の構造,大動脈の同定を行ない,記録,計測し,各六の計測値と妊娠週数および児頭大横径との関係について検討を加え,1)妊娠週数(X)と各計測値(Y)mmの相関は,大動脈径:Y=0.225X+0.245(r=0.84)(p<0.005),下行大動脈径:Y=0.198X-0.522(r=0.74)(p<0.005),左肩径1Y=0.348X-1.09(r=0.81)(p<0,005),僧帽弁前尖振幅:Y=0,226X-0,636(r=0.757)(p<0.005),左室拡張期径:Y=0.472X-1.680(r=0.884)(p<0.005),左室収縮期径1Y=0.390X-1.823(r=0.774)(p<0.005),石室拡張期径:Y=0.517X-4.218(r=0.843)(p<0.005),石室収縮期径:Y=0.466X-5.334(r=0.781)(p<0.005)であった.2)大横径と各計測値との相関は,大動脈径:Y=1.07X-0.568(r=0.85)(p<0.005),下行大動脈径:Y=0.92X-1.18(r=0.72)(p<0.005),左肩径:Y=1.60X-2.04(r=0.799)(p<0.005),僧帽弁前尖振幅:Y=0.877X-0.077(r=0.701)(p<0.005),左室拡張期径:Y=2.177X-3.655くr=0.881)(p<0.005),左室収縮期径:Y=1.693X-2.696(r=0.758)(p<0.005),石室拡張期径:Y=2.272X-5.523(r=0.817)(p<0.005),石室収縮期径:Y=2.010X-6.249(r=0.738)(p<0.005)であった.3)僧帽弁開放速度は,197±63mm/sec(n=92)(mean±SD),左室駆出時間は165±16msec(n=64)(mean±SD)であった.
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1984-04-01

電子走査超音波断層法,Mモード法による胎児心臓動態の解析

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