更年期障害に対するγ-オリザノールの臨床効果 : 血清過酸化脂質に関して
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概要
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γ-オリザノールは以前より産婦人科をはじめ,各科領域において自律神経調整を目的に幅広く使用されている薬剤であるが,さらに最近の研究においては,脂質代謝に対する作用が注月されはじめている.そこで我々は更年期障害患者を対象として,脂質代謝への影響並びに臨床効果を検討すると共に近年,各種疾患や老化と密接な関係にある過酸化脂質を取り上げ,その推移を健常人と比較検討したのでその結果を報告する.更年期障害患者40例にγ-オリザノール1.5gを,(γ-オリザノールとして300mg)4〜8週間投与し下記の結果を得た.1.医師の総合判定において,著効16例(40%),有効14例(35%),やや有効6例(15%),無効4例(1O%)で,改善率90%を示した.2.自覚症状の改善率はKupperman法,植田法において,それぞれ85%,80%の改善率を示した.又,血管運動神経障害に対し(75.9%),神経質に対し(77.4%),全身倦怠感に対し(77.8%),関節痛,筋肉痛に対し(75.8%),頭痛に対し(78.1%)の改善率を認めた.3.血清総コレステロール220mg/dl以上,血清トリグリセライド140mg/dl以上の症例について,それぞれ有意の低下が認められ,HDL-コレステロール値が45mg/dl以下の症例についても有意の上昇がみられた.又,Atherogenic Indexに対しても有意た改善が認められた.4.更年期障害患者は健常人に比し血清過酸化脂質が高値を示した.又,本薬剤投与により更年期障害患者の血清過酸化脂質を有意に改善した.5.本剤投与期間中,副作用はまったく認められなかった.又,臨床検査値(肝機能・血液)に対し,特記すべき異常は認められなかった.以上の結果により,γ-オリザノールは更年期障害による種々の不定愁訴の改善と共に血清過酸化脂質ならびに脂質代謝に対して好影響を与える薬剤であることを確認した.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1982-02-01
著者
-
稗田 茂雄
蒲郡市民病院
-
石原 実
愛知医科大学産婦人科学教室
-
伊藤 祐正
愛知医大
-
石原 実
愛知医大
-
中北 武男
大雄会第一病院
-
伊藤 祐正
愛知医科大学産婦人科学教室
-
中北 武男
愛知医科大学産科婦人科学教室
-
前濱 俊之
愛知医科大学産科婦人科学教室
-
稗田 茂雄
愛知医科大学産科婦人科学教室
-
山本 幸次郎
大同病院産婦人科
-
上野 昇
上野病院
-
稗田 茂雄
愛知医科大学 産婦人科
-
石原 実
愛知医科大学 産婦人科
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