5-Hydroxydopamine投与後の子宮頚部,卵管におけるアミン作動性神経終末の変化に関する電子顕微鏡的観察
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概要
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5-Hydroxydopamineを投与したラットの子宮頚部,卵管における自律神経末端の変化を経時的に電子顕微鏡で観察した.5-Hydroxydopamineは交感神経末端に選択的にとりこまれ,小含粒小胞(250〜400Å直径)に蓄積されるので,子宮頚部,卵管に交感神経の分布があれば電顕レベルで局在が証明される.今回の検索によつて以下の如き所見が得られた. 1. 5-Hydroxydopamineは投与後1時間で殆どの交感神経末端に蓄積置換され250〜400Å直径の小含粒小胞として証明される. 2. 投与後3日でもなお神経末端に多数証明され,5-Hydroxydopamineのturn orerに要する時間は非常に長い.即ち交感神経末端の変化は投与量時間にあまり左右されない. 3. 5-Hydroxydopamine投与後3日目までの経時的観察で,神経末端に変性像は見られなかつた.即ち6-Hydroxydopamineにより観察されたアミン作動性神経線維,末端に生ずる終末変性像は5-Hydroxydopamineでは観察されなかつた. 4. 投与後3日までの経時的観察によつてシナプス小胞のみを含むCholinergic Endingsは変化をうけず,このtypeの神経末端は子宮頚部筋層に多数観察された. 5. 5-Hydroxydopamine投与によつて交感神経終末に小含粒小胞が出現し,又一部の大含粒小胞のCoreの電子密度が上昇したことはこの物質がアミン作動性終末を容易に同定し得る物質であると考えられる. 6. 以上の事より子宮頚部は交感,副交感神経の二重支配をうけ,即ち血管周囲の神経分布はアミン作動性であり,子宮筋への神経分布はコリン作動性が主であると考えられる.一方卵管は5-Hydroxydopamineによつて大部分の神経末端に小含粒小胞が出現することにより極めて交感神経優位である事が証明された.
- 1976-08-01
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