子宮頚部腫瘍性病変の検出における頚管内掻爬(ECC)の重要性に関する再考察
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概要
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子宮頚部細胞診異常例200例で, コルポスコピーの際に, 狙い生検のほかに頚管内掻爬 (endocervical curettage: 以下ECC) を行い, 狙い生検だけを施行した場合より頚部病変の検出頻度が上昇するかどうかを検討した。手術を施行した73例では, 摘出標本の組織所見と術前の狙い生検およびECCの組織診断を比較した。その結果, 22症例のECC標本に異形成以上の病変が検出され, その組織診断は, 異形成12例, 上皮内癌6例, 扁平上皮癌4例であった。これら22例のうち18例は50歳以降の閉経後症例であり, 12例のコルポ所見はUCF (不適例) であった。狙い生検の組織診は, 22例中10例で異常が認められず, 5例の生検診断はECCより過小評価であった。手術施行例では, 術前の生検組織診は結果的に6例が誤陰性, 5例が過小評価だったことになり, これら11例はECCを併用することで, 頚部病変がより正確に評価されたといえる。以上から, ECCはコルポ診で直視がむずかしい頚管内病変を検出するために意義のある検査法であり, 頚管内病変が疑われる時には, 狙い生検だけでなくECCも併用する必要があると思われる。
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1994-03-01
著者
-
藤井 信吾
信州大学医学部産科婦人科学教室
-
藤井 信吾
信州大学医学部産婦人科
-
矢嶋 聰
東北大学医学部産婦人科
-
土岐 利彦
信州大学医学部産科婦人科学教室
-
土岐 利彦
八戸市立市民病院産婦人科
-
土岐 利彦
信州大学医学部産婦人科
-
土岐 利彦
八戸市民病院産婦人科
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