ブタ卵巣の莢膜性growth factor生成に対するgonadotropin及びestrogenの影響

概要

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既報のブタ卵胞莢膜由来の内因性 growth factorに対する gonadotropinとestrogenの影響を検討した. ブタ卵胞期卵巣から直径3mm以上の卵胞を採取し, 分離, 細切した莢膜組織を FSH(3×10^<-11>M, 3×10^<-9>M), LH(3×10^<-11>M, 3×10^<-9>M), estradiol-17β(E_2 : 1×10^<-9>M, 1×10^<-7>M)を添加した McCoy's 5a medium 中(V/W=30)で24時間培養し, 培養後の莢膜cytosol分画と培養液 (conditionedmedia : CM) 中の growth factor活性を, マウスBALB/c 3T3細胞 (3T3細胞) DNAへの^3H-thymidine取り込みにて測定した. その結果莢膜 CM 10%, 20%添加ではE_2群で有意の亢進を示したが, FSH, LH群では無添加群と差はなかつた. また各群 cytosolは3T3細胞DNA合成を濃度依存性に亢進させるものの, 各濃度での活性及び half maximal actvityとも無処理群と差はなかつた. 以上よりE_2は莢膜性 growth factorの生成及び分泌を冗進するが, このgrowth factorの特性等には影響を与えぬことが推察された.
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1991-07-01