閉経に伴う骨量および血清オステオカルシンの変動
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概要
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Ca代謝に影響を及ぼすような基礎疾患を有さない未閉経群31例, 閉経群24例において, 骨量ファントムを用いてX線CTにより第三腰椎海綿骨の骨量(QCT値)を測定, また同時に骨代謝の指標として近年注目されつつあるオステオカルシン(OC)についても血清内濃度を測定し, その閉経に伴う変動について検討した. QCT値は40歳代以降急激に減少し, 閉経群では未閉経群に比して有意に低値を示した. 未閉経群と閉経群とにわけて検討すると, 未閉経群ではQCT値と年齢との間に有意な相関を認めなかったが, 閉経群では両者の間に有意な負の相関を認めた. 血清OC値は年齢とともに上昇する傾向を認め, 閉経群では未閉経群に比して有意に高値を示した. 未閉経群においては血清OC値は低値から高値まで広く分布したが, 閉経群においては閉経後早期を除いて低値をとる症例は認められなかった. QCT値と血清OC値との間には有意な負の相関を認めた. したがって, 血清OC値が高値を示す症例においては骨量は減少する傾向にあり, 一方血清OC値が低値を示す場合は骨量は維持されていると考えられた. 以上の結果より, 第三腰椎海綿骨の骨量は閉経を契機として減少を開始することが明らかとなった. また血清OC値は閉経後高値となる傾向を認め, QCT値との間に有意な負の相関を認めたことから, 骨粗鬆症の管理上有用な指標となり得ると考えられた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1990-07-01
著者
-
野口 昌良
愛知医科大学産婦人科
-
岡本 俊充
愛知医科大学産婦人科
-
中西 正美
愛知医科大学産婦人科
-
岡本 俊充
愛知医大
-
中西 正美
愛知医科大学医学部産婦人科学教室
-
野口 昌良
愛知医科大学
-
浅井 光興
愛知医科大学医学部産婦人科
-
正橋 鉄夫
名古屋大
-
富田 明夫
愛知医科大学 中央臨床検査部
-
正橋 鉄夫
愛知医科大学附属病院産婦人科講座
-
正橋 鉄夫
名古屋大学医学部附属病院分院 産婦人科
-
鈴木 正利
葉酸血清濃度研究班
-
鈴木 正利
愛知医科大学産婦人科
-
富田 明夫
愛知医科大学臨床検査医学教室
-
浅井 光興
愛知医科大学 産婦人科
-
正橋 鉄夫
愛知医科大学産婦人科
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