筋収縮後充血に及ぼすRamp及びBallistic収縮の影響
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概要
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Ramp及びBallistic収縮が, 静脈還流や筋収縮後充血に及ぼす作用を検討する目的で本実験を行なった. 被検者は, 足関節を20度伸展する底屈動作を, 1秒間又は最大努力で行なった. 負荷量は等尺性最大底屈力の10, 20, 30及び40%とした. そして筋収縮時及び弛緩後の下腿囲変化をラバーゲージにて記録し, 筋収縮状態及び弛緩後の下腿囲低下や物収縮後充血を検討した. 1)筋弛緩後, 下腿囲は動作前値以下に一度低下し, ついで約7〜9秒間, その値をこえて増大し, その後約30〜40秒間で安静値に回復した. 2)下腿容積の低下量は, Ramp収縮の場合, 負荷量の増加に従い増大した. 一方Balhstic収縮時では, 一定の傾向がなかった. また増加量は, 両条件とも負荷量に依存して増加する傾向を示した. これらは, 全て1. 0ml・100mltissue^<-1>以下の容積変化であった. 3)両収縮条件間で下腿容積の低下量及び増加量を比較すると, 低下量の場合, Ramp収縮の方で大きく, 増加量はBallistic収縮時で有意に大となった. 4)筋弛緩後の下腿容積増加の最大速度(Maximum Infow Rate:MIR, m1. min^<-1>, 100mltissue^<-1>)と変化量(低下量+増加量)との間に, 正の相関が得られた. 5)底屈動作時の下腿囲増加量と筋弛緩後の下腿容積の各変化量との関連をみると, Ramp収縮時では, 下腿容穣の増加量と変化数及びMIRと, Ballistic収縮時の場合, その増加量と変化量と下腿囲増加量との間に有意な正の相関が示された. 以上の結果から, Ramp収縮では筋のmilking actionが強く現われ, 一方Ballistic収縮の場合, 筋収縮後充血の増大をみることが示唆された.
- 日本体力医学会の論文
- 1988-04-01
著者
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