把握動作時の前腕囲変化について : 周径変化からみた筋の動態とその利用
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概要
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各種把握動作時の前腕囲変化をラバーゲージにて検索した. 把握動作は短縮性及び等尺性に行なった. 短縮性筋収縮条件として、最大握力の10,20及び30%の荷重を敏速に2cm挙上する場合と,1秒1回の頻度で各荷重を反復挙上する2様の把握動作を実施した. 等尺性握力発揮は,数秒間及び数分間の一定筋力維持を行なった. 数分間の場合,筋力値は最大握力の30%についてのみ実施した. (1)急速把握動作の場合,筋放電開始時と前腕囲増加開始時との時間差は,全負荷条件とも約20msecであった. 荷重挙上前の前腕囲は,負荷量の増加に従い増大した. しかし荷重の上昇期間及び挙上持続期間では,一定の傾向がなかった. (2)律動的把握動作の場合,荷重挙上前の前腕囲変化は、急速把握動作時と同様,負荷依存性を示した. 一方落下時では,負荷量の増加に従い荷重の落下期間及び落下後の周径変化量が増大した. (3)短時間の等尺性握力発揮時に前腕囲は,筋力値と同様,ほぼ一定値を維持した. またこの値は、筋力の増加に従い増大した. 一方数分間の持続握力発揮時に,一定筋カの維持下で筋放電量と前腕囲は,漸次増大した. 以上の成績から,筋の周径変化が,短縮性の筋活動やその弛緩過程,並びに筋力-筋電図関係に不一致をみる時の筋活動の検索に利用し得ることが示唆された.
- 1987-10-01
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