体脂肪率と医学的検査値との関係に基づいた肥満の判定基準 : 男性についての検討

概要

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18〜73歳の男性457名を対象として, 男性の体脂肪率による肥満判定基準について検討した結果, 以下のような知見を得た. 1) 偏相関において年齢, VO_2max/wt, 飲酒量, 喫煙量の影響を消去した後に体脂肪率と有意な相関を示した医学的検査項目について, 対境界値に相当する体脂肪率を求めたところ, それらの値は17.9〜20.4%に分布していた. 2) 医学的検査項目の異常値の出現率は, 体脂肪率が12%以下群に比較して, 18%群, 20%群, 21%群および22%以上群がそれぞれ有意に高かった. 3) 体脂肪率を18%から21%まで, どこで区切っても以上群の医学的検査項目の異常値の出現率は未満群に比較して有意に高かった. 4) 被検者をN, MO, Oの3群に分けて医学的検査項目の平均値および異常値の出現率を比較したところ, 男性の場合は体脂肪率が18〜19.9%を軽度肥満とし, 20%以上を肥満とするのが妥当であると思われた. また運動指導や栄養指導を行う際には, 体脂肪率と有酸素性能力を総合的に判定することが望ましいと思われた.
日本体力医学会の論文
1992-06-01