EuroQOLを用いたリハビリテーション病院入院患者の健康関連QOLと費用対効果
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概要
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当院で入院の多数を占める脊髄損傷, 脳外傷, 変形性股関節症患者のHRQOLおよび費用対効果を, EuroQOLを用い調査した. 対象は2003年7月〜12月に30日以上入院し, 質問が理解可能で, 重度の合併症がない111名である. 調査内容は(1)入退院時FIM, (2)入退院時EuroQOL, (1)5項目法(5Dimension, 以下5D), (2)視覚評価法(Visual Analogue Scale, 以下VAS), (3)5Dで問題がある人の割合, (3)費用効用分析, とした. 結果は, 脳外傷, 脊髄損傷はFIMが有意に改善し, 5D, VASは, 3疾患とも有意に改善した. 5D各項目では, 脳外傷, 脊髄損傷は各項目とも全体的に問題を感じている人の割合が減少し, 変形性股関節症では, 特に痛み, 不安の項目で減少がみられた. 診療報酬より算出した入院中の医療費は, 脳外傷146.2±50.4万円, 脊髄損傷182.2±79.0万円, 変形性股関節症138.9±40.7(手術料含むと285.6±71.1)万円であった. 患者の状態が退院後も変化しないと仮定した場合の1質調整生存年(Quality adjusted Life Year;QALY)獲得のための医療費は, 脳外傷43.1±12.4万円, 脊髄損傷42.5±55.1万円, 変形性股関節症47.8±48.7(手術料含むと93.2±84.7万円)であった. 本調査で, リハビリテーション前後での効用値の有意な増加を確認することができ, 3群とも費用効果ありと考えられた.
- 社団法人日本リハビリテーション医学会の論文
- 2004-10-18
著者
-
橋本 圭司
神奈川リハビリテーション病院 リハビリテーション科
-
岡本 隆嗣
神奈川リハビリテーション病院
-
中地 照子
神奈川リハビリテーション病院
-
石井 明美
神奈川リハビリテーション病院
-
宮野 佐年
東京慈恵会医大リハ科
-
大橋 正洋
神奈川リハビリテーション病院
-
中地 照子
神奈川リハ病院看護部
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