エンドウの in vitro における世代促進のための培養法
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概要
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早生で節間の短い絹さやエンドウ品種を供試して, 試験管内における莢の生長と結実数を調査し, さらに, 試験管内で結莢した莢または未熟種子を培養して, 次代を開花, 結莢させ, 一世代に要する期間を把握し, 世代交代のための最適な培養法を検討した.また, 試験管内世代促進技術の実際育種における利用法を考察した.1. 試験管内における1個体当たりの結実数は品種によって若干の差があるものの, 2.0∿2.4粒であった.2. 25℃で培養した場合, 20℃に比べて種子の肥大生長および登熟は早くなった.3. 試験管内において開花後25日目の莢または30日目の未熟種子を採取し, 再び培養することにより, 一世代約82日のサイクルでエンドウの世代を進められることがわかった.4. 試験管内で結莢した莢を摘除し, 培養を続けると, 再び開花, 結莢した.摘除時期が早いほど, 個体当たりの総結莢数が増加した.5. 試験管内で結莢し, 登熟した種子は, 馴化の必要がなく, 直接ほ場には種できた.6. 試験管内における世代促進は, エンドウの莢を培地に置床し, 莢内の種子(胚珠)から発芽させて, 植物体を生育させ, 開花後結莢した莢を摘出し, 再び培養を繰り返すことにより可能と考えられた.この莢培養を利用した試験管内世代促進法を集団育種法の一過程に利用することにより, 育種期間を短縮できると考えられた.
- 園芸学会の論文
- 1999-03-15
著者
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