エンドウの胚, 胚珠特に子房培養における植物体再生
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概要
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エンドウの試験管内世代促進技術を開発するため, 胚, 胚珠特に子房培養において効率的に植物体を再生できる生育ステージおよび培養条件を調査した.1.子房, 胚珠および胚培養においては, 生育ステージの進んだ外植体を置床するほど, 種子形成率と発芽率が高くなった.3つの培養系の中で, 子房培養は, 植物体再生率が最も高く, 試験管の中で世代促進を行う上で最も適していると考えられた.2. 開花以前の子房を置床した場合, 子房内胚珠の種子形成, 発芽は全く認められなかった.開花後, 生育が進んだ子房を置床するほど, 種子形成数が多く, 発芽率が高くなり, 開花後7日以降の子房では発芽率が75. 0%以上であった.発芽までの日数は生育が進んだ子房を置床するほど短かった.3. 絹さやの'美笹', 大さやの'オランダ', 実エンドウの'きしゅううすい', いずれのタイプのエンドウ品種においても, 子房培養により, 子房内胚珠が種子に生長し, 発芽した.4. 子房培養において, 子房内の胚珠は, 25℃区が20℃区よりも早く発芽した.5. 子房培養時の子房内の胚珠の種子形成, 発芽に対し, 培地へのNAA 0.5 mg・liter^<-1>または1.0 mg・liter^<-1>添加やBA 1.0 mg・liter^<-1>の添加は促進的に働き, GA_3特に0.5 mg・liter^<-1>添加は, 抑制的に働くものと思われた.6. 子房培養において, 胚珠の発芽後, 試験管の栓をアルミ栓から綿栓に交換することにより, '美笹'のように早生で節間の短い品種では, シュートの生育が促進され, 開花率, 結莢率ともに100%となった.
- 園芸学会の論文
- 1999-03-15
著者
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