エンドウの in vitro における節間長の評価法
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
エンドウの試験管内世代促進の過程で短節間個体を選抜するため, 試験管内における培養植物の節間長の評価法の開発を試みた.まず, 培養植物の種類と節間長の品種間差異の関係を調査し, さらに, 節間長の評価精度を上げるため, 培養光の種類および培養照度と節間長の品種間差異の関係を検討した.1. ハウス栽培におけるエンドウ品種の節間長は, '矢田早生うすい'が最も長く, 次に'きしゅううすい'で, 'オランダ', '美笹', '紀州さや2号', 'タイニーピース'の順に短くなった.2. 試験管内における無菌播種植物および莢培養由来植物の節間長は, 通常の栽培条件であるハウス栽培におけるのと同傾向の品種間差異を示したことから, 試験管内世代促進過程で節間長の評価が可能と考えられた.3. 幼芽を培養した場合も, その節間長は, ハウス栽培におけるのと同傾向の品種間差異を示した.しかし, カルスからの再生シュートにおける節間長の品種間差は幼芽を培養した場合の品種間差よりも小さかった.これは, 再生シュートの発根率が低く, 生育にばらつきが生じたためと考えられた.4. 供試したすべての種類の培養植物の最長節間長は, 平均節間長の約2倍であり, 最長節間長の品種間差は平均節間長の品種間差より大きく, 最長節間長を指標として節間長を識別することが可能と推察された.5. 無菌播種植物および莢培養由来植物を黄色蛍光灯の照明で培養した場合, 白色蛍光灯の照明で培養した場合よりも, 最長節間長が長くなり, 品種間差が拡大した.6. 無菌播種植物の最長節間長の品種間差は, 培養照度を100∿500lxと低くすることにより3, 000lxよりも拡大された.
- 園芸学会の論文
- 2000-07-15
著者
関連論文
- わが国エンドウ品種の未熟小葉の培養による植物体再生について
- イチゴのサブストレートポット育苗における生育および収量
- ササユリの保護・活用による村おこし
- 精神科病院における露地花壇づくりの園芸作業が身体, 精神に及ぼす影響
- 無菌発芽したエンドウの in vitro での開花, 結莢
- キイジョウロウホトトギスの保護および産品化に関する研究(第1報)採種およびは種条件が発芽に及ぼす影響
- 夏秋ギクの露地栽培におけるアンシミドール散布が花芽分化と開花,生育に及ぼす影響
- 夏秋ギクの露地栽培におけるエセフォン散布と挿し穂冷蔵が生育と開花に及ぼす影響(栽培管理・作型)
- ケニヤにおける夏秋ギク系大輪ギクの露地圃場での切り花栽培 : 第2報 エセフォン散布と母株冷蔵処理による開花調節における長日と遮光が生育と開花に及ぼす影響
- ケニヤにおける夏秋ギク系大輪ギクの露地圃場での切り花栽培 : 第1報 エセフォン散布および母株冷蔵処理が生育と開花に及ぼす影響
- スターチス・シヌアータ新品種'紀州ファインホワイト'および'紀州ファインイ***ー'の育成
- 宿根カスミソウ茎頂組織の vitrification 法(ガラス化法)による超低温保存
- スターチス・シヌアータ新品種'紀州ファインホワイト'と'紀州ファインイ***ー'の育成とその特性
- スターチス・シヌアータ培養苗の苗質が鉢上げ後の生育に及ぼす影響
- シュッコンカスミソウ茎頂組織のガラス化法による凍結保存
- シュッコンカスミソウの育種に関する研究(第1報)低ロゼット性個体の試験管内選抜法
- ササユリの産品化に関する研究(3)切り花栽培における切り下球の再利用法
- ササユリの産品化に関する研究(2)球根の低温処理による開花調節
- ササユリの産品化に関する研究(1)和歌山県における自生地実態調査
- キイジョウロウホトトギスの園芸化を目指した増殖法 (花特集 鉢花・花苗 新商品開発のヒント)
- 和歌山県におけるササユリ産品化への取り組み (花特集 鉢花・花苗 新商品開発のヒント)
- エンドウの in vitro における節間長の評価法
- ササユリの開花調節技術
- ササユリ切り花生産における定植時期と栽培中の球根肥大との関係
- エンドウの in vitro における世代促進のための培養法
- エンドウの胚, 胚珠特に子房培養における植物体再生
- 宿根カスミソウの次期主力品種の特性と高品質生産 (特集 宿根カスミソウの栽培技術と産地動向)
- 試験管内世代促進および選抜を利用したエンドウの新育種法の開発に関する研究
- ハクサイのサブストレートポット苗の特性と定植後の生育、収量
- プリムラ・ポリアンサの花芽形成に必要な低温期間の品種間差異
- スリット入りセルトレイでの花壇苗及び鉢物苗の根及び地上部の生育
- 切り花用サイネリアの生育・開花に及ぼす日長の影響