オウトウ, セイヨウナシおよびカキの果実肥大最盛期における ^<13>C 光合成産物の側枝間転流に及ぼす遮光の影響

概要

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オウトウ, セイヨウナシおよびカキ各1品種の成木を用い, 果実肥大最盛期における3∿4年生側枝間の^<13>C光合成産物の一次転流に及ぼす遮光の影響を調査した.1. 最基部あるいは最先端部の側枝全体に^<13>CO_2を施与したとき, 施与後約44∿72時間では他の同齢の近接した側枝への^<13>C光合成産物の一次転流量は極めて少なかった.2. ^<13>CO_2施与を行う5日前から解体終了までの約8日間, ^<13>CO_2を施与した側枝以外の側枝に対して遮光処理を施し(遮光率約50%), 1.と同様な実験を行ったところ, 遮光処理側枝への転流はほとんど起きなかった.3. ^<13>CO_2を施与した側枝内の各器官の^<13>C atom% excess値を比較した結果, 果実肥大最盛期においては3ないし4年生の側枝全体に新梢方向への転流(求頂的転流)が極めて強いことが考えられた.4. 以上の結果, この時期の3ないし4年生側枝の炭素収支は総じて閉鎖経済的様相を呈するものと考えられた.従って, 3ないし4年生側枝より先に着生する果実の肥大には別の枝の光合成産物は貢献しないものと考えられ, 冬季剪定の際, 結果部周辺の光環境の改善を優先して整枝することが肝要であると考えられた.
園芸学会の論文
1999-03-15