核型解析によるイチョウ雌雄間の染色体の違いとfluorescence in situ hybridization (FISH)による染色体上のrDNAマッピング
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概要
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イチョウは雌雄異株であるが, 現在, 雌雄の判別は生殖器官の観察によるしかない.そこで, 染色体における雌雄の違いについて調査した.染色体数は雌雄ともに24本(12対)であった.付随体を持つ染色体の数は, 雄株と雌株それぞれ3本と4本であった.これら付随体の2本はもっとも大きな中部動原体型染色体の短腕にあり, その他の雄株の1本と雌株の2本は次中部動原体型染色体の長腕にあった.CMA染色の結果, 雌雄ともに2本のもっとも大きな中部動原体型染色体の短腕と2本の次中部動原体型染色体の長腕のそれぞれの二次狭窄部に, 合計4か所の黄色いバンドが認められた.5S rDNAと26S-5.8S-18S rDNAをプローブとしたFISH解析で両領域ともに二次狭窄部に位置し, 雌雄間に違いはなかった.また, これらの位置はCMAバンドと同様の場所に検出された.したがって, イチョウの雌雄性の判別は付随体の数によって判別できるが, 5S rDNAと26S-5.8S-18S rDNAをプローブとしたFISHシグナルやCMA染色では判別できないことが明らかとなった.
- 園芸学会の論文
- 2005-07-15
著者
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向井 康比己
大阪教育大学・教養
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堀内 昭作
大阪府立大農学部
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河瀬 憲次
大阪府立大農学部
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中尾 義則
大阪府立大学農学部
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平 知明
大阪府立大学農学部
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平 知明
大阪府立大学大学院農学生命科学研究科
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堀内 昭作
大阪府立大学大学院農学生命科学研究科
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河瀬 憲次
大阪府立大学大学院農学生命科学研究科
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向井 康比己
大阪教育大学教養学科
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中尾 義則
大阪府立大学大学院農学生命科学研究科:(現)名城大学農学部附属農場
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中尾 義則
大阪府立大学大学院農学生命科学研究科
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堀内 昭作
大阪府立大学
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