ツバキ属栽培種における細胞学的研究 : VI.カメリア・ジャポニカ系7分類群におけるC一バンド分染と核型
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概要
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カメリア・ジャポニカ系分類群のなかで,同じかまたはほぼ同じ分裂期中期核型をもつ,ヤブツバキ,リンゴツバキ,ユキツバキ,アカワビスケ,フクリンワビスケ,そしてワビスケの体細胞染色体の,BSG法によるC一バンド分染をおこなった。C一バンド濃染部は静止期核ですでに現われ,前期半ばの染色体では殆んどすべての末端部に存在した。さらに前中期へと分裂が進むにつれてバンド数は減少し,中期染色体で最小数,即ちバンドを全然もたない染色体も現われた。C一バンド分染は,表1〜2に示したように,近縁7分類群の中期染色体を確実にマークし,それぞれの核型を特徴づけることがわかった。それらの再現性は83%以上であった。BSG法で処理した核型と従来からの酢酸オルセインおしつぶし法で処理した核型での付随体を比較すると,一方の処理で観察が可能であっても,もう一方の処理で不可能となる分類群があり,また数の上でも違いがみられた。それら付随体をもつ染色体は,核型中でマークしやすく,相同対を容易に推察できるが,C一バンドの位置について比較してみると非相同(部分相同も含む)関係にあるものが多かった。
- 日本育種学会の論文
- 1981-03-01
著者
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