子葉培養による越南油茶と金花茶との種間雑種の作出
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概要
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近年,中華人民共和国から導入された金花茶は,黄色ツバキ育種の片親として注目されている、しかし,種間交配して得られた種子のほとんどは不完全種子であり,実生が生じても雑種致死を示すことが多い.そこで,金花茶(二倍体)の花粉を越南油茶(六倍体)に受粉し,得られた3個の種子を使って,交雑子葉の培養により雑種致死を克服し,一度に多くのクローンの得られる可能性について検討した. KAT0(1986)の方法に従い,これら種子の子葉を切りとり,MS基本培地+3.0mg/l,BA+1mg/l NAAで培養した.約半年後,MS基本培地+10%ココナッツミルク+1mg/l GA3に移植したところ,子葉表面全体に多数の不定芽を生じた.そのうちの4.3%(6/138)は数枚の葉を展開し,茎長5cm以上に生長し,プラントレッドとなった.根端の体細胞において,間期核は球形前染色体型,前期染色体は介在型であった。染色体数は2n=60(四倍体)であった.従って,子葉培養により,雑種致死を克服し,一度に多くの雑種クローンが得られた.
- 日本育種学会の論文
- 1986-09-01
著者
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