ツバキ属栽培種における細胞学的研究: III.四倍体種,および二倍体種×六倍体種間四倍体雑種
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概要
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米国ソバキ協会に記録され,栽培されているツバキ属中,唯一の四倍体種(2n=60)カメリア・グランタミアナ(C.granthamiana)4個体,ヤブツバキ系四倍体栽培品種1個体,そして二倍体種と六倍体種との種間(節内および節間)雑種中,花粉母細胞が得られた8組合せ10系統を供試し,減数分裂における染色体を観察した。カメリア・グランタミアナにおいて,減数分裂第一中期で検鏡したすべての花粉母細胞に30個の二価染色体がみられた。これに対し,ヤブツバキ系四倍体裁培品種1個体において,前者とは異なり,さまざまな対合があり,三価や四価染色体もみられた。したがってキアズマの頻度も幅の広い変化がみられた。雑種において,多くの花粉母細胞が減数分裂第一中期で一価や多価染色体を伴って変化ある染色体対合配列を示したにもかかわらず,二価染色体形成がつねに優位を占め,30個の二価染色体を形成しやすい傾向がみられた。これにより同親対合と異観対合の配合の存在が考えられる。この傾向が節内の種間雑種と節間の種間雑種に同じように現われることから,種の間そして節の間にはっきりとした遠近区分をつけることができない。
- 日本育種学会の論文
- 1978-09-01
著者
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