サザンカ個体群にみられる遺伝質浸透に関する植物化学的証拠
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概要
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ツバキ属の多数の種と雑種を使って,サザンキン(ユージノール・グリコシド),カメリンI並びにカメリンII(フラボノイド硫酸塩)の分布を調べた。サザンキンは,サザンカ,カンツバキ,バルサザンカ,それら3種の雑種およびジャポニカ系数栽培品種に限って存在した。一方,カメリンは,ヤブツバキ,ヒメサザンカ,カメリア・トランスノコエンシスの観察したすべての個体,サザンカのほとんどの個体,そしてこれら4種の関係する雑種のほとんどに分布がみられた。さらに,ヤブツバキ特有の形質の1つであるコルク流の分布と数的変異についても,サザンカとカンツバキの栽培品種ならびにそれらの自由交雑によりできた子孫を中心に調べた。その結果,それらの変異は大きいことがわかり,異型接合性を示唆していた。以上のことから,サザンカとヤブツバキの種間に遺伝子拡散があることを考察した。
- 日本育種学会の論文
- 1981-06-01
著者
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