補充原料用タバコにおける多収性品種の育成に関する研究: II.草型および生育経過と個葉の光合成能力との関係
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概要
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草型および生育特性の異る多収性育成系統の個葉の光合成能力について比較を行い,クロロフィル含量,全窒素含量および葉面積-葉重比と光合成能力との関係を,草型の異る系統間で比較を行った。育成系統間には,個葉の光合成能力に差があることが認められ,立葉でシリンダー様の草型をもつPT3群系統が最も高く,垂れ葉でピラミッド様の草型をもつPT1群系統が低かった。全系統問における光合成能力とクロロフィル含量との相関は0,894で1%水準で有意であったが,同一群内の系統間では一定の傾向は認められなかった。全窒素含量および葉面積-葉重比と光合成能力との関係は,クロロフィル含量の影響が大きいために明瞭でたかったが,前者では正の相関が認められ,後者は180〜190cm2/gの範囲で最も光合成能力が高かった。土地面積あたりの葉面積が大きい補充原料用タバコのような場合,立葉で,葉色の濃い,比較的厚い葉をもった草型の品種が,個体の光合成能率がよいとされているが,個葉の光合成能力が高く,草型もそれらの条件に比較的近いPT3群系統は,光合成能力,同化態勢の両面においてすぐれていると考えられた。日本の在来品種では,葉色の濃い緑色品種は光合成能力が高いが,yb_1,yb_2遺伝子によりクロロフィル含量の減少した系統では低下した。生育期間の長い多収性在来品種の遠州は,本実験での測定条件下では個集の光合成能力は他の在来品種よりも低い傾向が認められた。
- 日本育種学会の論文
- 1978-06-01
著者
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