空気乾燥種タバコにおける多収性品種の育成に関する研究: III.わが国在来品種における個葉のみかけの光合成速度の品種間差異
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概要
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日本の在来タバコのうちの53品種を用いて,個葉のみかけの光合成速度を比較するとともに,全窒素含量,葉面積・葉重比および2・3の生育特性とみかけの光合成速度との関係を調査した。日本の在来品種間では,個葉のみかけの光合成速度に差があることが認められ,最もみかけの光合成速度の高い品種の値は,最も低い品種の値の約154%におよんだ。品種内の変動係数は平均で9.6%,品種間のそれは11,7%であった。全品種のみかけの光合成速度の平均が15.05mgCO_2/dm^2hであるのに対して,沖縄品種および国分葉系品種のそれは17.12および16.74mgC0_2/dm^2hで比較的高く,水府系品種は,みかけの光合成速度において広い変異を示し,平均値は15.80mgCO_2/dm^2hであった。ダルマ葉系および秦野葉系品種の平均値はそれぞれ13.72および13.25mgCO_2/dm^2hで,低いみかけの光合成速度の品種が多かった。個葉のみかけの光合成速度と,単位葉面積あたりの全窒素含量との間には,高い正の相関関係が認められた。葉面積・葉重比との関係では,220〜270cm^2/gの範囲の葉面積・葉重比をもつ品種のみかけの光合成速度が高かった。葉数および草丈とみかけの光合成速度との間では明瞭な関係は見出されず,最大葉の葉長および葉幅および移植から開花まで日数との間ではいずれも負の相関関係が認められたが,相関係数の値は低かった。
- 日本育種学会の論文
- 1978-09-01
著者
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