土壌の蒸気パラメータに関する実験的研究
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概要
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乾燥過程にある土壌面の蒸発を支配するパラメータが,土壌の粒径にどのように依存するかを実験的に調べた.7種類の粒径のガラスビーズを深さ約2cmの小型の容器に入れて風洞内で乾燥させた.蒸発量と含水率を重量変化から測定し,蒸発効率βまたは土壌中の水蒸気輸送抵抗と含水率との関係を求めた.その結果,大粒子ほどβが小さいこと,さらに蒸発には3段階が存在することが分かった.乾燥の始まる第1段階では,含水率の減少に伴ってβは直線的に小さくなる.続く第2段階ではβはほぼ一定である.これは毛細血管で水が吸い上げられて,水の気化している場所がほとんど低下しない状態である.第3段階では再びβが含水率とともに小さくなる現象で,土壌中の水は粒子と粒子の間に点在し,蒸発し難くなった状態である.
- 社団法人日本気象学会の論文
- 1993-12-31
著者
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