てん菜の雄性不稔突然変異における細胞質因子と花粉稔性回復遺伝子の関係

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ガンマー線照射によって,正常型細胞質(N)より誘発された3種の不稔細胞質(S_<t-2>,S_<t-3>およびS_<t-4>)にそれぞれ対応する花粉稔性回復核遺伝子について遺伝子分析を行うと共に,細胞質因子と核遺伝子の相互作用について検討Lた。検定花粉親系統には,S細胞質(自然起源の不稔細胞質)に対する0型(N rf_1rf_1 rf_2rf_2)であるW162-6およびTK-81-0の2系統とあらかじめ完全不稔型検定系統W162A4(S rf_1rf_1 rf_2rf_2)との交雑実験により遺伝子型を明らかにした正常細胞質系統2個体,H-2002:5およびH-2002:6を用いた。3種の突然変異系統(γ-系統)からの完全不稔個体を母本として交雑実験を行ない,F_1およびF_2における花粉稔性回復型の分離を調べ,各花粉親系統がガンマー線誘発の不稔細胞質に対応する花粉稔性回復遺伝子をヘテロに保有する事を明らかにした。また,S_<t-2>細胞質には,S細胞質に対するRf_1およびRf_2と異なる2種の稔性回復遺伝子(Rf_4およびRf_5)が関与し,rf_4はRf_5に対して上位性を示した。S_<t-3>細胞質にはRf_6およびRf_7の2種の稔性回復遺伝子が関与し,Rf_6はrf_7に対し上位に働き,それらはSあるいはS_<t-2>細胞質に働く稔性回復遺伝子と異なる遺伝子であった。S_<t-4>細胞質に作用する稔性回復遺伝子のF_2分離様式はS細胞質における場合と同一であったが,Sに対する0型系統を交配すると,F_1には正常型や半不稔-a型を分離し,Rf_1およびRf_2とは異なる遺伝子,Rf_8およびRf_9が稔性回復にそれぞれ相加的に作用していた。
日本育種学会の論文
1977-03-01

てん菜の雄性不稔突然変異における細胞質因子と花粉稔性回復遺伝子の関係

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