日本各地の在来イネ品種の基本栄養生長期間および感光性程度の品種間差異
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概要
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日本各地産の在来イネ品種93を冬期自然日長,30℃のファイトトロン内(短日区)および夏期自然日長下の戸外水田(長日区)で栽培し,それぞれの到穂日数を調査した.短日区の到穂日数から推定された基本栄養生長目数は2頂分布を示し,少数の主働遺伝子の関与が示唆された.短かい基本栄養生長期問(60日未満)をもつ84品種の感光相(長日-短日)はO〜72日の変異を示した.感光相日数の各緯度帯における上限は北緯32t近(北九州・四国)以北ではかたり明瞭な緯度勾配を示した.これに対して北緯32t近以南,とくに南西諸島では,緯度と感光相日数の間に相関関係が認められなかった.基本栄養生長期間(BVP),感光相(PSP)がともに短かい品種(早生品種;BVP:60日未満,PSP:20日以下)は,北部日本に限らず,沖縄までの各地に散在していた.異たる出穂性を示すこれらの品種の地理的分布は日長や温度などの自然環境のほかに,二期作や早期栽培たどに対応した選択の所産と考えられる.
- 日本育種学会の論文
- 1985-03-01
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