アジア栽培イネのインド型-日本型品種群における籾形の差異
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概要
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アジア各地から集めた在来イネ625品種を岡(1953)の方法によるインド型,熱帯日本型および温帯日本型に,また松尾(1952)の方法によるa型,b型および。型(籾形)品種群に分類し,各品種群の地理的分布を比較するなどして両者の分類の視点を検討するとともに,C型=インド型のような対応関係の有無を調べた。2つの分類の合致の程度(一致指数)は供試した品種全体では0,582で両者の分類が完全に独立とは言えないものの,松尾(1952)のc型=岡(1953)のインド型,のような図式が成立しないことが指摘された。一致指数は地域によって異なった。一致指数はマレーシアからヒマラヤ山麓にいたる地域では0,414ないし0,553で,インド型一日本型と松尾の切型との間の組合せの傾向は弱かった。日本,朝鮮半島および北中国では,一致指数はO.7を越える高い値を示し,インド型でC型,温帯日本型でa型のような品種がなんらかの選抜によって成立してきたと考えられた。一致指数は供試品種全体では必ずしも高くなかったことから,両者の分類はイネの分化の異なる側面を反映したものと考えられる。
- 日本育種学会の論文
- 1991-03-01
著者
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