新規非イオン性等浸透圧造影剤iodixanolの抗原性試験
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概要
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非イオン性等浸透圧造影剤であるiodixanolの抗原性をモルモットを用いた全身性アナフィラキシー(SA)および同種受身皮膚アナフィラキシー(同種PCA )反応あるいはマウス-ラット系によるIgE抗体産生能試験により評価した。モルモット試験では, iodixanolの32または320mgI/kgをフロイント完全アジュバントとともに2週間隔で3回皮下投与してモルモットを感作し, 最終感作後14日に感作動物へiodixanolの320 mgI/kgを静脈内投与してSAを行った。また, 最終感作後13日に感作動物より採取した血清を用いた4および24時間同種PCA(4-および24-hr同種PCA)をiodixanolの320 mgI/kgを誘発物質として用いて実施した。その結果, SAならびに4-および24-hr同種PCAともに陽性反応は認められなかった。IgE抗体産生能試験では, iodixanolの32または320 mgI/kgを水酸化アルミニウムゲルとともに3週間隔で3回腹腔内投与してBDF_1マウスを感作し, 最終感作後7日に血清を採取した。これらの血清を用いてラットをレシピエントとした24時間異種受身皮膚アナフィラキシー反応をiodixanolの320 mgI/kgを誘発物質として用いて実施した。その結果, 陽性反応は全く見られず, iodixanol特異的IgE抗体は検出されなかった。以上のように, iodixanolは即時型アレルギー反応の評価法と考えられるモルモット試験およびIgE抗体産生能に関する試験で陰性であったことから, 本実験条件下において抗原性を示さないものと結論された。
- 日本トキシコロジー学会の論文
- 1995-10-15
著者
-
服部 浩之
第一製薬株式会社安全性研究所
-
山口 文恵
第一製薬株式会社安全性研究所
-
野村 護
日本トキシコロジー学会講習会小委員会
-
服部 浩之
第一製薬安全性研究所
-
山口 文恵
第一製薬安全性研究所
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大野 広志
第一製薬株式会社 開発研究所 安全性研究センター
-
野村 護
第一製薬株式会社 開発研究所 安全性研究センター
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