経口避妊薬DT-5061によるラット血清アルカリフォスファターゼの上昇に対する副腎摘出の影響
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概要
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Norethisteroneおよびethinyl estradiolを配合した経口避妊薬であるDT-5061を副腎摘出したラットに3日間経口投与し, 本薬剤による血情アルカリフォスファターゼ(ALP)上昇への副腎の関与を調べるとともに, 副腎皮質ホルモンであるcorticosteroneおよびaldosteroneを副腎摘出ラットに投与し, 血清ALPに及ぼす影響をあわせて検討した。その結果, DT-5061の投与により, 肝型および骨型アイソザイムの増加による血清ALPの上昇が認められたが, これらは副腎摘出により消失した。また, DT-5061投与による肝重量の増加および肝中ALP濃度の増加は抑制されたが, 完全には消失しなかった。副腎摘出ラットへのcorticosteroneの投与により, 血清ALP, 肝型ALPおよび肝重量の上昇が認められた。しかし, 骨型ALPの増加はみられなかった。一方, aldosterone投与では肝中ALP濃度の上昇は認められたが, 血情ALPの上昇は認められず, むしろ減少していた。従って, DT-5061によるラット血清ALPの上昇は主に副腎を介した作用と考えられ, 肝中ALP, 肝重量の増加には, 肝への本薬剤の直接的な作用も関与しているものと推察された。また, 副腎を介した作用にはcorticosteroneが一部関与している可能性が示唆された。
- 日本トキシコロジー学会の論文
- 1994-11-25
著者
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野村 護
日本トキシコロジー学会講習会小委員会
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大野 広志
第一製薬株式会社 開発研究所 安全性研究センター
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野村 護
第一製薬株式会社 開発研究所 安全性研究センター
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東條 宏子
第一製薬株式会社 開発研究所 安全性研究センター
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