トウガラシ果実のフェノール,フラボノイドおよびカプサイシノイド含量の品種間差異
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概要
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トウガラシ甘味品種と辛味品種計15品種を供試して,未熟果と成熟果の全フェノール成分,フラボノイド,カプサイシノイド含量の品種間差異を調査し,全フェノール含量は辛味品種が甘味品種よりも高く,いずれも成熟期の含量が未熟期よりも高かった.またその含量には品種間差異がみられた.ケルセチン含量は辛味品種と甘味品種との差異が明らかでなく,未熟期と成熟期における含量の差異にも一定の傾向はみられなかった.辛味品種では'弘前在来','栃木三鷹','八房'で高く,甘味品種では'ゴールデンベル','グリーン300'で高く,'カリフォルニアワンダー','ワンダーベル'で低かった.ルテオリン含量は全供試品種においてケルセチン含量よりも高い傾向にあった.辛味品種のルテオリン含量は'札幌大長'を除いて甘味品種よりも低く,成熟期には未熟期よりも低くなる傾向がみられた.甘味品種も同様であったが,'ワンダーベル'は逆に成熟期の方が未熟期よりも高かった.カプサイシノイドは甘味品種では検出されず,辛味品種のみに検出され,それは未熟期の'八房'で,また成熟期の'香川本鷹'でそれぞれ最も高かった.一般に抗酸化活性を有するとされるトウガラシ果実の全フェノール含量は甘味品種における成熟期の果実で最大となり,それは特に'伏見甘長'どワンダーベル'において優れていた.
- 園芸学会の論文
- 2003-07-15
著者
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