水稲における花成反応の温度依存特性 (I)
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概要
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感光性程度の高い水稲品種は言うまでもなく, 暖地の早期栽培に用いられている早生品種の中にも明らかに日長に感応する品種が見出された.これら品種の花成が誘起されるためには日長条件とともに温度の条件も満足される必要がある.これまでの多くの研究により花成のための限界暗期の長さは温度によりかなり変動することが明らかにされている.これは花成誘導のための計時機構には温度に依存する反応が含まれているためである.そしてイネの花成が自然条件下で日長に支配決定される場合, 問題となるのは限界暗期附近の日長条件であり, さらにその時の温度, 特に暗期の温度(夜温)が重要であることを示している.しかも通常, 夜間の温度は日没後時間とともに下降し早期日出直前に最低となる.このような推移を辿り変化する温度条件の下で進められる暗期反応は単一な温度依存の反応であるか否か明らかにされてはいない.本研究では花成誘導反応過程の温度依存特性を究明し, 自然における温度変化がどのように花成反応の成立に関与し, また支配しているかを明らかにするため, まずその基礎資料を得ようとするものである.
- 日本作物学会の論文
- 1981-10-30
著者
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