草地の植生改良に関する研究 : 第 3 報 輪換田への青刈ヒエの導入について
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概要
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試験結果を総括するとつぎのようである。1. 輪換田における、牧草混播区と青刈ヒエとイタリアン両区では、質量的においても青刈ヒエとイタリアン区が優れ季節的不良環境条件に対する適応性の強い能率的作付方式と思われる。また、土地利用効果からみると青刈ヒエとイタリアンの組合せによって、畑地の青刈集約栽培に匹適する高位生産量と考えられる。2. 青刈ヒエの有効栽培期間は過去の試験結果から5月中旬〜8月上旬と考えられるので、輪換作では風乾生産量などから40日を1培期間として3回播種が集約的栽培と思われる。3. 畜産経営面から検討すると、単位面積当りの飼育能力は青刈ヒエとイタリアン区では、10a当り肥育牛(1カ年飼育)4頭に対し、混播牧草区では約2頭に相当し、また、混播牧草区に比べ、D.C.Pにおいては1.3倍、T.D.Nは1.6倍の数値となる。したがって、平坦地はもとより、とくに山間高冷地における短期良質粗飼料の生産に対する影響は極めて大で、飼料自給の土地要素として水田と近代化される畜産企業の有機的結合が更に安定強化されるものと考える。
- 日本作物学会の論文
- 1971-03-31
著者
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