暖地における早播き適応性秋播型早生コムギの選抜法の確立 : 第1報 窒素追肥時期が「イワイノダイチ」の生育・収量特性に及ぼす影響
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概要
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現在の九州では, チクゴイズミ, シロガネコムギおよび農林61号など秋播性程度I〜IIの品種が作付けされている. これらの品種は暖冬年の場合, 茎立期が早まることで幼穂凍死型の凍霜害を受ける可能性が高く, また, 分げつ期間の短縮による穂数不足等, 収量性の不安定要因を抱えている. その解決策の1つとして, 藤田(1997)は低温要求性を大きくする一方, それ以外の出穂特性を遺伝的に改良したコムギ系統を作出し, その後代系統として茎立期が遅い秋播型早生品種「イワイノダイチ(秋播性程度IV)」が育成された. イワイノダイチは11月下旬播種の慣行栽培に加え, 収穫期を早めて雨害回避を目的とした11月上旬播種の早播き栽培が提案されている. その実用化に向けて, 現在九州各県農業試験場を中心に検討が行われている. 九州農業試験場では早播き適応性の秋播型早生品種のさらなる育成を進めているが, 早播き栽培条件で生育・収量および品質特性を適切に評価・選抜するためには, これらの特性に大きく影響する窒素追肥時期を明らかにしておく必要がある. そこで, 秋播型早生品種であるイワイノダイチを早播き栽培し, 各生育期に施用した追肥窒素が生育および収量特性にどのような影響を及ぼすかについて検討したので報告する.
- 日本作物学会の論文
- 2001-05-15
著者
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