鹿児島県における早期水稲の収量成立過程についての一考察
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
1.鹿児島県早期水稲の玄米重は収量キャパシティー(m^2当り籾数X10^-3×玄米子粒重)に規制される場合が多いが,収量キャパシティーが穂ぞろい期地上部風乾重に対して相対的に大きく,しかも穂ぞろい後風乾重増加量が少ない場合には,穂ぞろい後風乾重増加量が玄米重の制限要因となる。2.穂ぞろい後風乾重増加量は,登熟期の日照時間,穂ぞろい期の葉身風乾重文はLAIに大きく影響されるが,この他に穂ぞろい期の草出来に対する収量キャパシティーの比率にも大きく影響を受け,基肥に緩効性肥料を使用した場合には,普通化成肥料を使用した場合よりもこの比率が高く,穂ぞろい後風乾重増加量が多かった。3.早期水稲の登熟期間に相当する7月の日照時間の頻度分布は過去79年間のデーターで約70%が160〜260時間であり,この範囲内では頻度に大差が見られない。4.穂ぞろい後風乾重増加量に対する穂ぞろい期の最適葉面積指数は7月の日照時間が小であった昭和51年の緩効性化成肥料区について約4.7と算出された。この年の7月の日照時間は前述した頻度分布の70%の範囲の下限に相当するので,穂ぞろい期LAI4.7は安全多収の最低限界と考えられる。
- 日本作物学会の論文
- 1979-12-25
著者
関連論文
- 鹿児島における甘しょの生育経過について : 第1報 いもの肥大とでんぷん歩留りの経過
- 水稲の高温登熟性に関する研究 : 第2報登熟程度の数量的表現方法について
- 水稲の高温登熟性に関する研究 : 第1報玄米における白色不透明部の位置と時期的変化
- 28 西南暖地における早期水稲の品質に関する研究 : 第5報 穂揃期窒素追肥が背白米の発現に及ぼす影響
- 42. コウキヤガラの増殖に関する2,3の調査
- 西南暖地にわける早期水稲の米質に関する研究 : 第2報 刈遅れによる玄米の光沢低下の品種間差異
- 西南暖地における早期水稲の米質に関する研究 : 第1報 刈取時期の早晩が米質に及ぼす影響
- 57. 南九州における水田多年生雑草の防除 : 第I報 ミズガヤツリの防除について
- 水稲早期栽培後地に栽培する私大豆について(第II報) : 播種期と栽植密度について
- 鹿児島県における「べにばな」の適応性について
- 麦間作期間の長短が早期陸稲の生育収量に及ぼす影響について
- 早期水稲における収量キャパシティーと収量内容の量的関係の解析 : 特に実肥の効果について
- 西南暖地における早期水稲の米質に関する研究 : 第4報 背白米の特性と発現の穂上位置について
- 鹿児島県における早期水稲の収量成立過程についての一考察
- 7 普通期水稲に対する穂首分化期の窒素追肥が出穂期の葉身重と籾数に与える変化について
- 早期水稲苗の大型ハウスによる集団委託育苗について
- 鹿児島県本土における「さとうきび」栽培に関する研究 : 第3報 春植栽培における苗催芽の程度と植付時期について
- てん菜の後期摘葉の影響について
- 亜熱帯緑肥作物の導入と利用について
- 45 鹿児島県における水稲の籾容量と収量内容の量的関係 : 1. 普通期水稲の場合
- 鹿児島県本土におけるさとうきび栽培に関する研究 : 第2報春植栽培における苗について
- 鹿児島県本土におけるさとうきび栽培に関する研究 : 第1報春植の植付時期について