イネの葯および玄米培養によるカルスの再分化過程におけるアルビノ植物の出現率の差異
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概要
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イネの葯培養では, 植物体再分化率が低いことや多くの労力を必要とするなどの問題がある。実際の育種に葯培養を活用するには, これらの点の改良が望まれる。培地や培養法の改良によって, 植物体再分化効率は徐々に向上し, 省力化もはかられている。しかし, 未だ再分化率は葯あたり数%と低く, 再分化植物の半分以上がアルビノとなる。植物体再分化効率の向上には, 培地や培養法の一層の改良が必要と考えられる。一方, アルビノ植物出現の原因を究明し, これを減少させる方法の開発も急務である。この研究では, 植物体再分化過程でのアルビノ植物出現の原因を調べる目的で, 半数性細胞由来カルスから再分化植物を作出するための葯培養と, 2倍性細胞由来カルスから再分化植物を作出するための玄米培養を行い, 再分化過程のアルビノ植物出現率を比較した。既応の研究成果と本研究の結果から, 葯培養および玄米培養におけるアルビノ植物出現率の差異とその原因について考察した。
- 日本作物学会の論文
- 1986-03-31
著者
-
中村 厳
鳥取県農業試験場
-
菊地 栄一
山形県立農業試験場庄内支場
-
小原 安雄
滋賀県農業試験場
-
藤巻 宏
農林水産省北陸農業試験場
-
藤巻 宏
農水技術会議
-
小原 安雄
滋賀県農試
-
菊地 栄一
山形県農試
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