1926年十勝岳泥流水田土壌のイオウと鉄の含有率

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1926年に発生した十勝岳泥流跡地を65年後に調査した結果,次のことが明らかになった.1)現在の作土は泥流の上に客土されたもので,これらの客土層厚は14〜31cmであった.2)泥流層の厚さは7〜145cmであり,十勝岳爆発直後の調査結果とほとんど同じであった.3)客土層のpHは4.9〜6.2で,平均値は5.65±0.33であった.泥流層のpHは4.1〜6.2で,平均値は5.28±0.70であった.また,土壌pHは全イオウ含有率と反比例の関係にあった.4)全イオウ含有率の平均値は,客土層で6.3±3.3 g kg^<-1>,泥流層で13.6±10.6 g kg^<-1>,旧作土層で13.1±14.2 g kg^<-1> であった.最高値は泥炭の旧作土層の77 g kg^<-1>であった.5)土壌の電気伝導率は水溶性イオウ含有率とr=0.947の高い相関関係にあった.6)客土層に使用した土壌のイオウ含有率は0.10 g kg^<-1>以下であった.また,北海道水田土壌のデータから,旧作土のイオウ含有率は1.0 g kg^<-1>以下と推定された.現在の客土層と旧客土層の全イオウ含有率は元の値より著しく高く,イオウは泥流層から供給された.7)王水可溶の全鉄含有率は土壌間に大きな差がないが,全イオウ含有率が20 g kg^<-1>以上の地点では,遊離酸化鉄の含有率は急激な低下を示した.客土層の遊離酸化鉄含有率がモル比で全イオウの7倍以上の土壌はまったくなかった.N0.1〜14の客土層中全イオウ含有率がモル比で遊離酸化鉄より高い土壌は半数を占めた.
社団法人日本土壌肥料学会の論文
1992-12-05

1926年十勝岳泥流水田土壌のイオウと鉄の含有率

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