根圏における微量元素肥料の挙動およびそれに及ぼす窒素添加の影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究はYOSSEFとCHINOの開発したRhizoboxを用いて添加微量元素と窒素量の変化によるコムギ根圏の元素の挙動について検討したもので,次の結果を得た.1)pHは各処理区とも根に近くなるほど低下した.その範囲は根から2mmまでであった.窒素多施用区の根圏土壌のpHは他の区より低く,根近傍での土壌pHは非根圏土壌に比べて2.5ほど低下した.2)根圏における全銅,全亜鉛,全鉄,全マンガン,全マグネシウムは大きな変化がなく,全カルシウムは根近傍でやや増加し,影響の範囲は1mmまでであった.3)根圏における可溶性カチオンの分布はそれぞれ異なった.可溶性マンガン,可溶性鉄,可溶性カルシウム,可溶性マグネシウム,水溶性ナトリウムは各処理とも根圏に近いほど高く,水溶性カリウム,水溶性アンモニウムは根に近くなるほど低かった.しかし,水溶性カリウムは窒素と微量源元素の添加区では根の生育区画で再上昇した.可溶性銅,可溶性亜鉛はN1区の根圏でやや増加したが,他の区では銅添加のコンパートメントが最も高く,その両側で低下した.
- 社団法人日本土壌肥料学会の論文
- 1990-12-05
著者
関連論文
- 11-14 アブラナ根におけるカドミウムの挙動に対するグルタチオンの影響(11.植物の有害元素,2009年度京都大会)
- 9-10 グルタチオンによる植物体地上部へのカドミウムの移行と蓄積の抑制(9.植物の無機栄養,2008年度愛知大会)
- 9-9 登熟期のイネにおけるカドミウム輸送のPETIS (positron emitting tracer imaging system)用いた非侵襲的イメージング(9.植物の無機栄養,2008年度愛知大会)
- 9-14 栄養条件がソルガムにおけるカドミウムの移行と蓄積に及ぼす影響(9.植物の無機栄養,2007年度東京大会)
- P22-19 アブラナ篩管液タンパク質のカドミウムに対する応答(22. 環境保全, 2006年度秋田大会講演要旨)
- 17 アブラナ篩管におけるアスコルビン酸-グルタチオンサイクルのカドミウムに対する応答(東北支部講演会,2007年度各支部会)
- 22-16 カドミウム蓄積植物からの酸によるカドミウムの回収(22.環境保全,2008年度愛知大会)
- 下水汚泥コンポスト長期連用圃場における下水汚泥由来亜鉛および銅の土壌-作物系での分配
- Effect of cadmium on the chemical composition of xylem exudate from oilseed rape plants (Brassica napus L.)(Plant Nutrition)
- 土壌中からのカドミウムの除去技術(ファイトレメディエーション)の実用化を目指した研究におけるポジトロンイメージング技術の貢献 (第12回放射線プロセスシンポジウムから)