グルコース添加に伴う発熱測定による土壌微生物活性の評価

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灰色低地土,淡色黒ボク土,多腐植質黒ボク土のそれぞれ堆肥無施用区と堆肥連用区の各土壌について前培養-本培養法により熱測定を行った.1)得られた微生物増殖サーモグラムを解析することにより,増殖速度定数(μ),平均細胞分裂時間(t_D),発熱ピーク時間(t_P),グルコース効率(G.E.)の4つの特性値を算出した.2)μは灰色低地土と黒ボク土の間には明確な差が認められ,t_Dは灰色低地土で最も短く,多腐植質黒ボク土で最も長くなった.また,堆肥連用によ.り灰色低地土のμはほとんど変化しなかったのに対し,黒ボク土のμは若干増加した.3)t_Pは土壌間で差があり,灰色低地土では短く黒ボク土では長くなる傾向が見られた.また堆肥連用により各土壌とも短くなった.4)グルコース効率G.E.は各土壌で60〜70%であったが,土壌間で明確な差は認められなかった.5)前培養時のグルコース添加量に伴う増殖サーモグラムの発熱時間の変化を菌数比モデル式にあてはめた結果,菌数比と前培養時のグルコース添加量との間に高い一次の相関関係が認められ,菌数比モデル式が各土壌においても適用できることが示された.6)菌数比モデル式から算出した菌数指数(n_0^0/k)は土壌間に差があり,また堆肥連用により各土壌とも増加した.菌数指数は土壌菌数の大小を評価することが可能な特性値であると考えられる.
社団法人日本土壌肥料学会の論文
2002-12-05

グルコース添加に伴う発熱測定による土壌微生物活性の評価

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