液肥の下層注肥の深さが稲の生育収量に及ぼす影響について
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概要
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1 本研究は, 液肥の下層注肥機を試作し, 下層注肥の深さが稲の生育に変化をもたらす様相を, 品種の早晩生や, 栽植密度と関連させて研究したものである。2 下層注肥の深さは, 7, 10, 15cmとし, 活着後条間中央に条施したが, 注肥の深さにより肥効発現の様相に変化がみられた。3 下層注肥の深さを10, 15cmに深めると, 7cm下層注肥よりも肥効がおくれて下位分けつがよう折し, 肥効があとずれし, 生育期間が長い品種についても, 肥ぎれが防がれるが15cmまで深くすると, 肥効が遅効すぎる状態もあらわれた。4 下層注肥の深いものは, 浅いものよりも発生茎数は少なくなるが, 有効茎歩合が向上し, 穂数には差が少なく, 一穂粒数は増加した。しかし, 施肥を深めた効果は, むしろ極早生にあらわれ, 中, 晩生種では深さ15cmに下層注肥すると登熟阻害がみられた。5 深い施肥位置が示す無効分けつ発生防止の効果と遅効すぎる欠点を, 栽植密度を高めることによって調和させたいと考えて検討したが, 充分な効果はみられなかった。これはa当たりチッソ成分量0.5〜0.4kgを, 全量下層注肥したため, 条件によっては深く下層注肥したものの肥効が登熟期まで残りすぎたものと思われる。今後はさらに, 下層注肥量を減肥し穂肥と関連ずけた研究が必要と思われる。
- 日本作物学会の論文
- 1966-03-25
著者
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