トウモロコシF_1雑種の芽生え成長時に発現する雑種強勢に関連したグルコース代謝の解析
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概要
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草丈, 種実収量などで雑種強勢を強く発現するトウモロコシF_1雑種(Oh545×W22)と発現しないF_1雑種(Oh545×Oh45)の間で芽生えの成長速度, 発芽種子からの二酸化炭素ガス(CO_2)の排出速度を比較調査した. その結果, F_1雑種Oh545×W22は芽生えの成長速度, CO_2排出速度共に, その両親系統だけでなく他方のF_1雑種Oh545×Oh45やその父本のOh45をも陵駕することを認めた. 一方, Oh545×Oh45は両親系統の成績と大差なかった. F_1雑種の遺伝子型の違いが, 芽生え成長速度やCO_2排出速度におよぼすこのような影響から, 雑種強勢が種子発芽直後から既に発現することを確認した. 次に代謝生理からこの現象をとらえる目的で, 種子発芽時の呼吸に重要な役割を果たす基質が糖であることから, [U-^<14>C]グルコースをF_1雑種Oh545×W22とその両親系統の芽生えに取り込りこませその動向を検討した. 吸水開始後の様々なステージで取り込んだグルコースが有機酸, アミノ酸, 核酸, タンバク質, 細胞壁構成成分, CO_2に代謝される速度を調査した. 放射能の各画分への取り込みは, 種子吸水開始24時間目からF_1雑種において両親よりも有意に高くなることから, 吸水後の胚の代謝機能がF_1において両親よりも早く高まることを確認した. そしてF_1雑種のこの代謝機能の特徴が, 芽生えの成長期での雑種強勢発現の重要な要因の一つであると結論した.
- 日本作物学会の論文
- 1994-12-05
著者
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