日本稲とインド稲の葉の拡散伝導度の差異について : 第1報 気孔の大きさ, 密度, および気孔開度
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概要
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日本稲, インド稲, および日印交雑種, 合わせて51品種を用い, 葉の拡散伝導度の品種間差異を圃場条件下で検討した。幼穂形成期に測定した, インド稲と日印交雑種の葉の拡散伝導度は, 日本稲より明らかに大きかった。クチクラ拡散伝導度が葉の拡散伝導度より著しく小さいことから, この葉の拡散伝導度の品種群間の差異は, 気孔に関連した特性に起因するものと判断された。そこで, これらについて調べたところ, 気孔開口長や孔辺細胞の大きさの品種群間の差異は小さいが, 気孔密度と気孔開度には明らかな差異があり, インド稲半矮性種および日印交雑種の気孔密度と気孔開度は, 日本稲より大きい傾向が認められた。さらに, この両者と葉の拡散伝導度との関係を詳しく検討したところ, 気孔密度より気孔開度の方がより強く葉の拡散伝導度を支配していることが明らかとなった。したがって, 日本稲とインド稲または日印交雑種の葉の拡散伝導度の差異をもたらす主要な要因は気孔開度と結論される。
- 日本作物学会の論文
- 1990-12-05
著者
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