タイ国におけるロゼル (Hibiscus sabdariffa var. altissima L.) の栽培に関する研究 : 第4報ロゼル-ラッカセイ間作体系における条間距離が両者の収量に及ぼす影響

概要

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タイ国東北地域の3-6試験地において, 3年間にわたりロゼル-ラッカセイの間作試験を実施した. ロゼルのラッカセイに対する遮光の影響を緩和する意図で, 複条(paired row)法を導入して個体密度一定の下にロゼルの複条距離をかえ, 窒素(N)条件を組合わせて収量の反応を比較し, 次の結果を得た. 1) 間作ロゼルの乾燥繊維収量は全区3年間の平均で, 単作の場合より僅かしか(4-18%)低下しなかったが, ラッカセイの莢実収量は大巾な(67-85%)低下を示した. 2) ラッカセイ/ロゼルの収量比は条間距離のみならず, 年次, N供給量によっても大巾に変動した. 3) 複条区と単条区を通じて, 合計収量は条間距離が増大するほど, すなわち全体としての条間距離が均一化するほど, 増大する傾向を示し, 50cm単条区で最高で, ロゼルの収量も同じ傾向を示した. しかし-N条件下ではこのような傾向は消失した. 4) Land equivalent ratio (LER)も上と同じ傾向を示し, 50cm単条区で最高となった. 以上のことから, ロゼル-ラッカセイ間作体系への複条法の導入は単条法に比べて特別な利点を持たないことがわかった.
日本作物学会の論文
1987-06-05