インゲンマメの葉の調位運動に関する研究 : 第1報 光の強さに対する反応と光受容体の位置
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概要
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インゲンマメの葉の調位運動と光との関係を知るために, 次の様な方法で2つの実験を行った. 暗室中のチャンバー内で第1本葉の左側小葉(葉枕を含む)にその基部方向から30度の角度で人工光を照射した(第1a図). 葉面傾斜の変化を「上下傾斜角(小葉軸の水平面に対する角度)」および「横むき傾斜角(小葉面の葉軸に直角な方向の水平面に対する角度)」(第1b図)の測定により検討した. [実験I] 光の強さの変化に対する小葉の傾斜反応を知るため, 2品種(大正金時, 姫手亡)を用いて, 3段階(10, 40, 80klx)の光を夫々60分間照射し, 小葉の傾斜角を測定した.「上下傾斜角」は, 40klxまで照度の増加に伴い大きくなり, それ以上では変らなかった(第2A図)が,「横むき傾斜角」は照度の増加に伴って徐々に頂小葉の方向へ傾斜した(第2B図), すなわち, 小葉面の傾斜は光の方向に対して直角および平行になるような運動により起り, 光強度の増加に伴って前者から後者ヘ変化することが認められた. また, 照度の変化に関係なく, 上記の傾斜特性をそれぞれ示す品種間の差異が認められ, この差異は内生的要因により起るものと思われた. [実験II] 調位運動に関する光受容体の位置を知るため, 葉枕と葉身およびその両者への光照射(照射部分が40klx)により, 姫手亡の小葉における傾斜角の変化を測定した. 葉枕への照射により, 小葉の「上下傾斜角」と「横むき傾斜角」の変化が大きく, 葉身および葉枕と葉身への照射でも「上下傾斜角」が大きく変化したが,「横むき傾斜角」の変化は小さいか, あるいは減少した(第3A図, 第3B図). このことから調位運動に関する光受容体は, 葉枕と葉身に存在することが認められた. しかし, 葉身の受容体は, 葉枕のそれより直角になるような小葉の運動と密接に関係するように思われた.
- 日本作物学会の論文
- 1983-12-05
著者
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