北海道中央部における春播コムギの初冬播栽培に関する研究 : 播種期と越冬性について
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概要
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冬期間積雪が多く土壌が凍結しない北海道中央部において, 生育期間の延長による多収化と, 早熟化による雨害の回避を図るため, 春播コムギの初冬播栽培を検討し, 安定的に越冬可能な播種期の設定を試みた.秋播コムギを含めた越冬性の品種間差に関する2ヶ年の試験では, 根雪前に出芽し1〜2葉程度に生育した場合, 秋播コムギ2品種は播種量の61.0〜100%が越冬したのに対し, 春播コムギ3品種は年次間差が大きく(0.4〜54.9%), 越冬が不安定であった.一方, 根雪前に出芽しない場合, 播性にかかわらず比較的高い割合で越冬した(36.1〜81.4%).春播コムギ品種「ハルユタカ」を用いた異なる3地点における3ヶ年(長沼3ヶ年, 士別1ヶ年, 比布2ヶ年)の播種期試験では, 初冬播において播種から出芽までに要する積算地温は平均140℃(長沼のみ), 同じく積算気温は平均115℃(3地点加重平均)であった.北海道中央部における過去の気象経過を勘案し, 春播コムギの初冬播における安定的に越冬可能な播種早限を, 平年の根雪始の約20〜25日前と設定した.
- 日本作物学会の論文
- 1998-12-05
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