北海道中央部における春播コムギの初冬播栽培に関する研究 : 窒素施用法が製パン品質に及ぼす影響(栽培)
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概要
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春播コムギ(品種「ハルユタカ」)の初冬播栽培において,窒素施用法が製パン品質に及ぼす影響について検討した.試験は総窒素量4〜16gm^<-2>で,融雪直後に全量を施用した「融雪期施用区」,融雪直後の4〜13gm^<-2>に加え止葉期に3〜6gm^<-2>を追肥した「止葉期施用区」,融雪直後の10〜13gm^<-2>に加え出穂期に3gm^<-2>を追肥した「出穂期施用区」,及び比較として春播栽培における窒素10gm^<-2>基肥処理の「春播対照区」を設置した.融雪期施用区で窒素施肥量の効果をみると,粉のタンパク質含有率は窒素13gm^<-2>以上の区で高く,ほぼ春播対照区並となった.粉色の明度を示すL*値は,窒素施用量が多くなるに従って低下する傾向がみられたが,いずれも春播対照区よりも高かった.パン比容積は,窒素施用量が多くなるに従ってタンパク質含有率とともに高まる傾向がみられた.止葉期ないし出穂期の窒素追肥により粉のタンパク質含有率の上昇,粉のL*値の低下,ファリノグラム生地形成時間の延長,およびパン比容積増大の傾向がみられた.また,追肥量が多いほど粉のタンパク質含有率は高まった.以上のことから,北海道中央部における春播コムギの初冬播栽培において,総窒素施用量13gNm^<-2>以上,融雪期7〜10,止葉期3〜6gNm^<-2>の窒素増施・分施体系は,粉のタンパク質含有率と製パン用としての品質を高め,多収と高品質を両立できる技術であると判断された.
- 日本作物学会の論文
- 2004-09-05
著者
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