宮城県古川農業試験場で育成した主要水稲品種の食味特性
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概要
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一般に日本人は粘りが強く,軟らかいご飯を好むため,「コシヒカリ」や「ひとめぼれ」,「あきたこまち」に代表される「コシヒカリ」の後代品種が市場の大半を占めるようになった.米の食味に関しては米粒の澱粉組成や蛋白含有率と米飯の物理性の関係等について多くの報告があり,品種開発の現場においてもこれらの知見を活用して炊飯米の光沢,官能試験などによって食感が「ひとめぼれ」並の良食味系統が容易に選抜できるようになった.これまでの手法は軟らかめで粘りの強い系統が選抜される傾向が強く,最近の育成系統は「ひとめぼれ」タイプが大半を占めるようになった.しかし,米の消費・嗜好は多様化しており,「ササニシキ」に代表される「コシヒカリ」と異なるタイプの良食味品種の育成も求められつつある.そこで育種現場で現在行われている官能試験を中心とした方法では捉えきれていない食味特性を評価し,多様な良食味品種を開発するため,古川農業試験場(以下古川農試という)で育成した主要な水稲品種について,炊飯米の物性,糊化特性,白米成分等について調査したので概要を報告する.
- 2004-12-27
著者
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永野 邦明
宮城古川農試:宮城県農林水産部農産園芸環境課
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千葉 文弥
宮城古川農試
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佐々木 都彦
宮城古川農試
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佐々木 都彦
宮城古川農試:宮城県農林水産部農産園芸環境課
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遠藤 貴司
東北農業研究センター
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遠藤 貴司
宮城古川農試:宮城県農林水産部農産園芸環境課
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千葉 文弥
宮城古川農試:宮城県農林水産部農産園芸環境課
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