5-アミノレブリン酸によるイネ苗の耐寒性向上

概要

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イネ苗の耐寒性に対する5-アミノレブリン酸(ALA)の作用を検討した.0.1-1ppmのALA水溶液に根を浸漬した場合, 低温処理後のイネ苗において, ALAは葉身への低温傷害(Leaf rolling)を減少させた.また葉身からの電解質の漏出も減少させた.同濃度のALAを前処理したイネ苗を5℃, 5日間低温処理し, その後に常温で30日間栽培した場合, ALAはイネ苗の生存率を高め, 乾燥重量を無処理区の約1.4-1.7倍に増加させた.また, その適正濃度は1ppmであった.ブラシノライド(BR)は, イネ苗葉身のLeaf rolling及び電解質の漏出においてALAと類似した作用を示したが, 低温処理後の回復成長においてALAよりも効果が小さかった.アブシジン酸(ABA)は, 低温処理後のLeaf rollingの結果から, その作用がALA及びBRの作用と異なることが示唆された.すなわち, ALA及びBRは古い葉に, ABAは若い葉に対してより強い作用を示した.
日本農薬学会の論文
1998-02-20