スズメノカタビラの s-トリアジン除草剤抵抗性の分子機構および異なる光条件下における光合成機能
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概要
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静岡県のゴルフ場で発見されたシマジン抵抗性スズメノカタビラ(Poa annua L.)は, 無傷植物および単離葉緑体の両レベルで, s-トリアジン除草剤に対して極めて高い抵抗性を示したが, フェニウレア型除草剤のジウロンに対しては感受性バイオタイプ(野生種)と同程度の感受性を示し, フェノール型阻害剤のジノセブに対しては逆に高い感受性を示した.そこでこの抵抗性バイオタイプについて, 抵抗性の分子機構と, 異なる光条件下における光合成機能について検討した.その結果, 抵抗性バイオタイプでは, 葉緑体遺伝子psbAの1塩基の変異により, 光化学系IIの反応中心を構成しているD1タンパク質上の264番目のセリンがグリシンに置換されていることが明らかとなった.無遮光条件下では, 抵抗性バイオタイプの光合成電子伝達活性は感受性バイオタイプに比べて低下していたが, 遮光条件下では明確な差は認められなかった.さらに抵抗性バイオタイプは, 個体レベルおよび単離系II膜断片のレベルで, 光阻害に対する感受性が高いことが判明した.すなわち, 抵抗性バイオタイプの無遮光条件での生育は野生種に比べて劣るものの, 遮光条件下では野生種と変わらない生育を示すことが示喚された.
- 日本農薬学会の論文
- 2001-08-20
著者
-
近内 誠登
宇都宮大
-
米山 弘一
Center For Research On Wild Plants Utsunomiya University
-
近内 誠登
宇都宮大・農
-
熊田 秀治
Center for Research on Wild Plants, Utsunomiya University
-
小笠原 勝
Center for Research on Wild Plants, Utsunomiya University
-
竹内 安智
Center for Research on Wild Plants, Utsunomiya University
-
近内 誠登
Center for Research on Wild Plants, Utsunomiya University
-
中島 芳浩
Graduate School of Biological Science, Nara Institute of Science and Technology
-
中野 雄司
The Institute of Physical and Chemical Research (RIKEN)
-
吉田 茂男
The Institute of Physical and Chemical Research (RIKEN)
-
小笠原 勝
宇都宮大学野生植物科学研究センター
-
近内 誠登
宇都宮大学野生植物科学研究センター
-
中島 芳浩
Graduate School Of Biological Science Nara Institute Of Science And Technology
-
小笠 原勝
宇都宮大学野性植物科学研究センター
-
熊田 秀治
Center For Research On Wild Plants Utsunomiya University
-
吉田 茂男
The Institute Of Physical And Chemical Research
-
小笠原 勝
宇大
-
米山 弘一
Center for Bioscience Research and Education, Utsunomiya University
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