ハクサイ葉のクロロフィル, カロチンおよび炭水化物含量におよぼす有機リン系殺虫剤の影響
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概要
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有機リン系殺虫剤15種を用いて, ハクサイ苗に散布した場合のクロロフィル, カロチンおよび炭水化物量の変化を調べた.その結果, fenitrothion, fenthionなどはげしい葉焼け症状を示した薬剤, およびphosalone, phenthoateなどクロロシス症状を示した薬剤の場合に, クロロフィルおよびカロチンの減少が見られた.Phosaloneおよびchlorpyriphos-methylの場合は, 症状が現われる前, すなわち, クロロフィルの減少より早くカロチンの減少が見られ, さらに, 遮光することにより症状がmaskされることから, これらの薬剤の場合, カロチンの減少に基づくクロロフィルの光破壊によってクロロシス症状が発現すると推定した.全炭水化物量は, 症状が現われなかった薬剤の場合を除いて減少が見られ, その程度はクロロフィルの減少とほぼ平行しており, 症状がはげしいほど減少が大きかった.炭水化物の中では, デンプンの減少が大きく, 糖の減少も見られた.Dimethoateの場合, クロロフィルの減少は見られず, 上位葉では薬害症状も見られなかったが, 炭水化物, とくにデンプンが減少した.
- 日本農薬学会の論文
- 1981-02-20
著者
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