MBCP 剤のハクサイ幼苗に対する薬害
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概要
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MBCP (4-bromo-2, 5-dichlorophenyl methyl phenylphosphonothionate)の200∿5, 000ppm液散布によりハクサイ幼苗(品種 : 改良千歳)に黄緑斑を伴う奇型葉, 捲葉, 葉裏の葉脈部分のネクロシスおよび生育抑制の症状が認められた.双葉の時期から5.5葉期までの種々の生育ステージの苗, および改良千歳以外の6品種の苗の場合も, 症状に軽重の差はあったが, いずれも同様の症状が見られた.ダイコンの場合は5, 000ppmの高濃度散布でも異常症状は認められず, カラシナ, コールラビは5, 000ppm区でのみ軽い症状が見られた.薬害症状の見られたハクサイと, 異常のなかったダイコンとについて, MBCP残留量の経時変化を比較したところ, 両者とも, 2日後に最大となり以後漸減するという同じようなパターンが得られた.散布処理したハクサイの場合, 黄緑斑が生じたことから, 光合成に関連した生理的変化を調べたところ, クロロフィル量の減少割合は, 散布時に展開しつつあった葉で大きかった.光合成能は, 散布後減少する傾向が認められ, 炭水化物量については, 全炭水化物量は散布により減少したが, 全糖は新葉で著しく増加した.
- 日本農薬学会の論文
- 1978-08-20
著者
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