アルテリシジン処理したナシ黒斑病菌およびトウモロコシ黒穂病菌の走査型電子顕微鏡像
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概要
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アルテリシジン複合物(AC)は低濃度でナシ黒斑病菌の菌系生育を液体培養で著しく阻害する.しかし, 50%菌系生育阻止濃度(EC_<50>)は処理時の菌体量によって異なる.各EC_<50>値における薬量/菌体量(乾重)比は, 菌体量0.8から1.45mg/mlまでは2.8(μg/mg)の一定値を示したが, それ以後は菌体量に比例して高くなった.走査型電子顕微鏡観察において, ナシ黒斑病菌胞子ではAC処理濃度の増加に伴い細胞壁外層の部分的膨張, および損傷, 剥離を示し, 40ppmの18時間処理では胞子細胞の破壊がみられた.菌系では20ppmの6時間処理ですべての菌系が収縮した.トウモロコシ黒穂病菌小生子では20ppmの3時間処理で細胞壁の部分的破壊が観察された.以上の結果から, ACは細胞壁に作用していることが示唆された.
- 日本農薬学会の論文
- 1986-08-20
著者
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